Don’t blame Corbyn for the sins of Blair, Brown and New Labour
(仮訳) ケン・ローチ:ブレア、ブラウンやニュー・レイバーの犯した罪をコービンに着せるな ②からの続き
コービンと少数の仲間たちは保守党に真っ向勝負を挑みながら背後にいる沈黙の反逆者の相手もしなくてはならない。しかし、依然として議員たちは、党員の代表でもないくせに、とてつもなく大きな妨害行為をしているのだ。メディアはなぜ彼らを被告席に座らせないのだ?有権者に拒絶されたのは党の官僚主義に溺れた彼らと彼らの支持者たちなのに。
スコットランドで敗れ、その後の選挙で2度敗れ、党の得票数を容赦なく減らしたのは彼らの労働党なのだ。コービンの労働党ではない。しかし、いまだに彼らは自分たちに党を率いる資格があると思っているようだ。彼らが容認あるいは支持したことこそ、社会保障制度の衰退であり、かつての工業地帯の意図的放棄であり、公共サービスの予算削減と民営化であり、そして、違法な戦争(※2003年イラクへの軍事介入)である。その戦争では100万人以上を死に追いやり、テロを誘発し、イラクとその周辺地域を不安定化させたのだ。もしもコービンが解任されるのなら、労働党と保守党の違いなど殆どない、これまでどおりの世の中が待っていることだろう。社会を改革するのであれば、党こそが改革しなければならない。
そして、報道はどうだろう?右翼の悪態が酷いのは予想通りだろう。しかし、急進派を自称する新聞各社が実は全くそうではなかったということが判明してしまった。『ガーディアン』と『ミラー』は古い労働党支配層の応援団になってしまったのだ。次から次にコービンに辞職を求める声ばかりが並び、ニュー・レイバーの隠居人たちの言葉を大はしゃぎで引用しているのだ。マンデルソンの「コービンを追い出すために1日1日真剣に取り組んでいる」という言葉が大見出しを飾っていたが、マンデルソンは過去2度も失態を演じて閣僚辞職に追い込まれた人物だ。そんな人間にこんなに重大な発言権を与えるのは、反コービンの雰囲気作りを盛り上げる目的以外に理由があるだろうか?
放送局も新聞社からのキューをもらい動き出す。報告によると、コービンの2度目の党首選キャンペーン中に、BBCはコービン支持派の2倍の数の反コービン派のインタビューを放送したことが明らかになった。彼らの批評は個人攻撃であり、かつての反アーサー・スカーギル(※)運動と同じく悪意に満ちている。コービンの強さについて根拠が必要だとすれば、それはまさにこの猛攻撃に耐え抜く能力だといえる。
なぜこんなに攻撃されるのか?なぜ党内の沈黙者たちは無罪放免で、長きにわたる労働党の衰退がコービンの個人的責任とみなされるのか?コービンとマクドネルが計画を文字通り実行することへの恐れだろうか?もしコービン達が彼らを支え得る力強い運動を展開することができたら、彼らの率いる労働党は、資本家の権力を削減し、公共サービスから多国籍企業を追い出し、労働者の権利を回復させ、誰もが分かち合える安全で持続可能な社会の構築にむけて取り組み始めるだろう。それを勝ち得るためなら、闘う価値は十分にある。これは始まりだ。長い道のりのほんの始まりに過ぎない。
※元記事:
https://www.theguardian.com/commentisfree/2017/feb/28/dont-blame-corbyn-sins-blair-brown-new-labour
*留意点*
- 初めてこのブログを読まれる方は↑TOPメニューの「¿(仮訳)?」も併せてお読みください。
- 2017年2月23日のイギリス下院議員補選(ストークオントレント・セントラルとコープランドの2議席)を受けてのローチによる「意見欄」掲載文です。労働党はストークではUKIPに勝利しましたが、牙城のコープランドで保守党に敗北し、コービンへのバッシングが加熱していた中で書かれたものです。6月の総選挙を経た今振り返ると、なかなか感慨深いものがあるかと思います。
- ブレアに代表される「ニュー・レイバー」についての説明は、検索で色々出てきますが、お急ぎの場合は→こちらが簡潔かと思います。
- 「※」付きの説明は訳者註です。
- 文中のリンクは「※」付き以外は全て元記事と同じリンクです。
スコットランドで敗れ、その後の選挙で2度敗れ、党の得票数を容赦なく減らしたのは彼らの労働党なのだ。コービンの労働党ではない。しかし、いまだに彼らは自分たちに党を率いる資格があると思っているようだ。彼らが容認あるいは支持したことこそ、社会保障制度の衰退であり、かつての工業地帯の意図的放棄であり、公共サービスの予算削減と民営化であり、そして、違法な戦争(※2003年イラクへの軍事介入)である。その戦争では100万人以上を死に追いやり、テロを誘発し、イラクとその周辺地域を不安定化させたのだ。もしもコービンが解任されるのなら、労働党と保守党の違いなど殆どない、これまでどおりの世の中が待っていることだろう。社会を改革するのであれば、党こそが改革しなければならない。
そして、報道はどうだろう?右翼の悪態が酷いのは予想通りだろう。しかし、急進派を自称する新聞各社が実は全くそうではなかったということが判明してしまった。『ガーディアン』と『ミラー』は古い労働党支配層の応援団になってしまったのだ。次から次にコービンに辞職を求める声ばかりが並び、ニュー・レイバーの隠居人たちの言葉を大はしゃぎで引用しているのだ。マンデルソンの「コービンを追い出すために1日1日真剣に取り組んでいる」という言葉が大見出しを飾っていたが、マンデルソンは過去2度も失態を演じて閣僚辞職に追い込まれた人物だ。そんな人間にこんなに重大な発言権を与えるのは、反コービンの雰囲気作りを盛り上げる目的以外に理由があるだろうか?
放送局も新聞社からのキューをもらい動き出す。報告によると、コービンの2度目の党首選キャンペーン中に、BBCはコービン支持派の2倍の数の反コービン派のインタビューを放送したことが明らかになった。彼らの批評は個人攻撃であり、かつての反アーサー・スカーギル(※)運動と同じく悪意に満ちている。コービンの強さについて根拠が必要だとすれば、それはまさにこの猛攻撃に耐え抜く能力だといえる。
なぜこんなに攻撃されるのか?なぜ党内の沈黙者たちは無罪放免で、長きにわたる労働党の衰退がコービンの個人的責任とみなされるのか?コービンとマクドネルが計画を文字通り実行することへの恐れだろうか?もしコービン達が彼らを支え得る力強い運動を展開することができたら、彼らの率いる労働党は、資本家の権力を削減し、公共サービスから多国籍企業を追い出し、労働者の権利を回復させ、誰もが分かち合える安全で持続可能な社会の構築にむけて取り組み始めるだろう。それを勝ち得るためなら、闘う価値は十分にある。これは始まりだ。長い道のりのほんの始まりに過ぎない。
※元記事:
https://www.theguardian.com/commentisfree/2017/feb/28/dont-blame-corbyn-sins-blair-brown-new-labour